世界の石油需要、見通し巡る対立鮮明にPhoto:Thomas Kronsteiner/gettyimages

 反目する2者間に横たわる110万バレルという数字は何を意味するのだろうか。

 石油輸出国機構(OPEC)と国際エネルギー機関(IEA)は見解が異なることが多い。IEAは50年前、エネルギー消費国を代表し、実質的にOPECに対抗する組織として設立された。OPECによる石油禁輸措置に伴い原油価格が4倍に高騰した翌年のことだ。現在、2024年に世界が必要とする石油の量を巡り、両者の見通しには大きな隔たりが生じている。年末が近づくこの時期のこうした乖離(かいり)は珍しい。

 IEAは2024年の石油需要について、日量90万バレルの上乗せを見込む。OPECはさらに強気で、追加で200万バレルが必要になると予想している。