新刊『落とされない小論文 増補改訂版』の著者であり、大学入試や就職試験のサポートも行う「ウェブ小論文塾」代表の今道琢也氏が、「志望理由」を書くときの落とし穴を解説します。(構成・写真/ダイヤモンド社 今野良介)

「2つの要素」が必須

大学の学校推薦型選抜や総合型選抜では、多くの場合「志望理由書」を書くことになります。企業採用のエントリーシートでも「志望理由」を書くケースがほとんどです。

志望理由を書くときには、「2つの要素」を盛り込むことが大事です。

まず、大学入試から考えてみましょう。

志望理由ですから、「なぜ、そこで学びたいのか」を書くことになりますが、その時の「理由」は、次のように分けられることに注意します。

A大学経済学部を志望する場合
・なぜ経済学を学びたいのか?(経済分野に関心を持っている理由)
・数ある経済学部のある大学の中でもなぜ、A大学なのか?(A大学の学習環境の良さ、特徴など)

このように、A大学経済学部の志望理由を書くときは、「経済学を学びたい理由」「A大学でなければならない理由」の両方が必要です。

両方を書くことで、「A大学経済学部でなければならない理由」がはっきりします。

よくあるケースとして、「経済学を学びたい理由」だけを書く受験生がいます。しかし、それを読んだ採点者からは「だったらうちの大学じゃなくても良いですよね」という反応が返ってくるでしょう。

これは、企業採用のエントリーシートを作成する場合でも同じです。

「落とされてしまう志望理由」の特徴【学校推薦型選抜・総合型選抜/エントリーシート】受験生のみなさん、がんばってください

例えばB銀行を志望する場合を考えてみましょう。

この時も、志望理由は2つの要素から構成します。

B銀行を志望する理由
・なぜ銀行で仕事をしたいのか?(金融業界で働きたい理由)
・数ある銀行の中でもなぜ、B銀行なのか?(B銀行の強み、社風、将来性など)

このように、2点を明確にすることではじめて、「B銀行でなければならない理由」が明確になります。

『落とされない小論文 増補改訂版』では、大学入試や就職試験における「小論文試験」において即効性のあるスキルと知識を網羅的に解説しています。