カナダで保育士になって5年目。時給22.24カナダドル(約2200円)で働くが、州政府が保育士の待遇改善のため、1時間につき4カナダドル(約400円)を上乗せしている。1日7時間、週5日勤務で、毎月の収入は額面で40万円前後になる。

「時給も上がっていますし、残業すると時給が1.5倍になる。日本の教員は仕事量が多いのに残業した分の給料は出ません。今の職場は当然のように定時に帰れるし、残業が10分でも申告します。ボーナスはありませんが、保育士4年目で月給は日本の小学校教諭8年目を上回りました」

 日本より物価が高く、うどん1杯で1000円を軽く超える。ただ、看護師などほかの専門職と比べれば給料は低いが、単身ならなんとか暮らしていける水準だ。

 カナダで保育士として働き、衝撃を受けたのは同僚から日々感謝されることだ。毎日職場に行って、自分の仕事をしているだけなのに、「ありがとう」と言われる。日本で教員をしていたときは、こんな経験はなかった。自分を否定されることなく働ける環境があるということを、カナダに来てはじめて知った。