アドリブに強い超一流芸人

 どうなるかわからないからこそ、状況を楽しむといえば『M-1グランプリ』初代チャンピオンの兄弟コンビ「中川家」を思い出します。彼らは芸人界の中でも飛び抜けて頭の回転が速いです。

 いつ見てもどこまでがネタなのか、本当の話なのか、アドリブなのか見分けがつかない漫才の理想形である「立ち話」を見せてくれる至高の漫才師だと思います。皆さんもご存じのように兄の剛くんが話を脱線させても、弟の礼二くんがフォローして、笑いに変えるのが彼らのスタイルです。

 もし、彼らが決められた(もしくは自分たちで決めた)ことしかしない主義を持っていたら、むしろ彼らのよさは失われてしまうと思います。そうではなく、あえて完璧を求めすぎず、余白を残すことで、思考スピードと面白さの両方を実現しているのでしょう。

 そんな彼らのハプニングを目の当たりにしたことがあります。