中川家に起きた大ハプニング

 なんと、漫才中に漫才中に礼二くんの差し歯が取れるという、漫才師としては大ピンチの出来事です。

 しかし、それを見て剛くんは「しゃべりにくそうやな」とクスクス笑っているだけで、「お前がしゃべって、繋げよ!」と礼二くんにツッコまれます。ですが、それを見てまた笑うだけ。

「なんで俺ばっかり苦労せなあかんねん!」と迫真の演技でキレる礼二くん。ひょっとしたら本当に怒っているのかもしれませんが、それも含めて中川家の漫才にお客さんは大爆笑。私は切羽詰まった礼二くんに、いつも余裕を感じています。

 もし、100点を取ることだけに執着していたら、この余裕は生まれません。人によってはその時点で諦めたり、不貞腐れたりします。しかし、彼らは自分たちの思い通りにいかないこともあると理解して、その場で素早く考えることをやめないのです。

 礼二くんは「あんなん芸ちゃいますよ。毎回打ち合わせしてもなにか起こるんですから。必死に食らいついてるだけですよ」と謙遜しますが、私は「たしかな芸」だと思っています。

 お笑いの話がメインになってしまいましたが、私はビジネスも同じだと思っています。どんな仕事も100点を目指そうとする心意気は大事ですが、その意識が強すぎると皆さんの能力が犠牲になります。ほどよく余裕を持っていただけると幸いです。