理由を知ってゾッとした…詐欺メールが「不自然な日本語」で書かれている邪悪すぎるワケ写真:徳間書店提供

詐欺メールの不自然な日本語は
境界知能の人を狙う罠なのか

 さらに深刻なのは犯罪に巻き込まれてしまう恐れが高いことだ。

 境界知能は論理的思考や状況判断が時として適切になされない。だから詐欺やネットワークビジネスにつけ込まれやすいのだ。

 詐欺メールの大半はその文面や体裁に違和感がある。特に片言の日本語で記されたメールはいかにもいかがわしい。普通の人なら怪しんで無視するだろう。しかし境界知能だとその不自然さに気づきづらい。場合によっては簡単に引っかかってしまう。詐欺師たちはあえて不自然な日本語を使い、騙しやすい人をフィルタリングしているとも言われている。

 犯罪被害に遭いやすいだけではない。境界知能の人は犯罪に利用される危険もある。近年、「闇バイト」という言葉をよく耳にするようになった。

 犯罪グループが求人サイトやSNSを通じて、密かに犯罪の実行役を募る。その闇バイトの高額報酬に目がくらんだ若者たちが犯罪に手を染めてしまう事態が多発し、いま深刻な社会問題になっている。闇バイトの勧誘は実に巧みになされる。境界知能の人にとって非常に危険だ。

 闇バイトではその犯罪の一部を手伝わされる。ようは使い走りである。かつては違法薬物の運搬や特殊詐欺の受け子といった役割が多かった。しかしそれが次第にエスカレートし、最近では強盗の実行役にさせられるケースもある。