誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
パッと見ではわからない……
今日は、「ヤバい人はパッと見では9割わからない」というテーマでお話ししたいと思います。
実際、世の中にはいろいろな「ヤバい人」が存在するものです。しかし、一見するとなんの違和感もない普通の人に見えることが多いです。
もし初対面でヤバそうに見える人がいたら、そもそも近づかないはずなので、ヤバい人に遭遇する機会自体が少なくなるはずです。
しかし、現実には、ヤバい人に遭遇したという話は少なくありませんから、これは「パッと見ではわからない」ということに他なりません。
仮面をかぶったヤバい人
ヤバい人というのは、初対面では親切だったり、人当たりがよいことが多いです。それにはいくつかの理由があります。
まず、意図的に相手を騙そうとする「下心のあるヤバい人」の場合、当然ながら目的を達成するために意図的に人当たりをよく見せます。
最初からそのつもりで、いい人のふりをして接してくるんですね。
自覚のないヤバい人
一方で、下心はなくても、性格的に不安定だったり、他人を憎んでしまいやすいタイプの“自覚のないヤバい人”もいます。
こうした人たちは、自分のなかにヤバいものを抱えていても、それを隠さないと人間関係や社会生活に支障が出るため、自然と仮面をかぶるようになります。だからこそ、パッと見ではわからないわけです。
けれども、ある程度親しくなると、その仮面がはがれ、本来の姿が見えてくることがあります。そうしたときに実害を被る可能性が出てくるのです。
ヤバい人は隠れている
人は誰しも、大なり小なりヤバい部分を抱えているものです。それがどの程度のものかの違いで、完全にヤバいところがない人はいないと思います。
ですから、過剰に警戒する必要はありませんが、「ヤバい人は隠れているものだ」と意識しておくことが大切です。
そうすると万が一、付き合いのある相手にヤバい部分が見えたときにも、大きなトラブルを回避しやすくなります。
心の片隅に警戒心を持つ
アテクシ自身も、楽しそうな人や感じのいい人と出会うと、ある程度その人を信用して、感情に従って交流を深めることは多いです。
しかし、どんなにいい人に見えても、100%信用することは避けています。
もし急に相手の本性が見えて、ヤバいと感じたときには、すぐに距離を置けるように心の片隅に警戒心を持っておくようにしています。
多少の警戒心を持ち続ける
もちろん、何事もなく時間が経てば、自然に信頼関係が築かれていくこともあります。
ヤバい部分を完全に隠し通すことは長期的には難しいので、長い付き合いのなかで少しずつ信頼を深めていくのが理想です。
たとえ相手に悪気がなくても、価値観の違いが突然明らかになることもあるので、多少の警戒心を持ち続けることは必要だと思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。