誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!

【精神科医が教える】アナタの隣の優しい人の“裏の顔”Photo: Adobe Stock

優しい人の本当の姿

今日は優しい人は、本当は冷たい人かもしれないというお話をしたいと思います。

優しさとは、実は表面だけで示すのが、いちばん簡単かもしれません。表面的な優しさは、相手に興味・関心がなくても簡単にできてしまうからです。

他人と対立したくないと思えば、表面だけの優しさで接することがいちばんラクであり、無難だと思うことも多いでしょう。

優しい人は心を鬼にできる

だからこそ、優しいとされている人であっても、本当はけっこう冷たい心を持っているケースが少なくないのではないかとさえ感じるのです。

他人に優しくするというのは、実際には非常に難しいものです。真の優しさがあれば、相手のことを思って、ときに厳しい態度さえとれる。ときには、心を鬼にする覚悟も必要です。

それは相手を苦しめるためではなく、その人が前向きに変わろうとするタイミングに応じたものでなければ意味がありません。

その優しさは冷たさの裏返し?

ひたすら厳しくするのではなく、相手が成長できるようなタイミングに限り、あえて厳しさを選ぶ場面もあるということです。

無難に優しくすることは、多くの場合、相手に対する「冷たさ」から来ているかもしれません。

対立を避けるには、相手への興味・関心がなく、思いやりがともなわなくても、表面上の優しさで対応するのがいちばんラクだからです。

無理をせず、自分のペースで

真の優しさには大きなエネルギーが必要で、それを自分と関わるすべての人に向けるのは不可能です。現実的なのは、本当に優しくしたい相手にだけ自分の優しさを注ぎ、ほかは無理をせず、自分のペースで接する。

すべての人に真心を込めて優しく接するのはとても難しいことで、それができる人はほとんどいないでしょう。したがって、表面だけで優しさを示す人は、もしかすると冷たい一面を持っているかもしれません。

この考え方を心に留めておくと、人間関係において適切な距離感をとりやすくなるかもしれません。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。