“大YouTube時代”の到来
当時、寡占的に人気を得ていたYouTuberは、新規参入者が増えたことやネームバリューのある芸能人が参入してきたことにより、「これまでと同じことをやっていたら、視聴者に飽きられてしまう」と危機感を抱き始めた。
そこで、マネジメント会社やYouTube作家などの外部の視点や新たなアイデアを必要とするYouTuberが増えてきたのだ。
15世紀から17世紀の大航海時代でグローバリゼーションが本格化したように、2019年からは“大YouTube時代”の様相を呈しているといえるだろう。
裏方の存在を明かしてくれたのは?
そのような状況で、僕たちは大海原に向かって「こす.くま」号を出航させたのだ。そうして大海原に出た途端、僕たちにとって衝撃的な出来事が起こった。
超有名YouTuber「東海オンエア」さん(チャンネル登録者数 708万人※2024年10月時点・以下同)から、仕事のオファーが舞い込んだのだ。
東海オンエアさんが「構成作家にネタを外注したら視聴者にバレるのか?」という企画を考案したのがきっかけだった。
「この動画は再生回数0回を目指します。」
そのオファーに応えて僕たちが提案したのが、「この動画は再生回数0回を目指します。」という企画だった。
東海オンエアさんはYouTube業界でも折り紙つきの企画力と確固たるブランディングに定評があるため、正直なところとても不安だった……。
ただ、動画を公開してみると、好評を得た。再生回数は944万回を記録。
あの企画猛者として名高い東海オンエアのメンバー・虫眼鏡さんから、サブチャンネルで「悔しい」という言葉をいただけたのは、とても名誉なことだった。
有名YouTuberからの“お墨付き”
この企画で僕たち裏方の存在が明かされ、有名YouTuberから“お墨付き”をもらえたことから、それまでのゴーストライター的な存在から、ついにYouTube作家として日の目を見るときがやってきたのだ。
これもやり続けたからこそ、巡ってきた好機だ。東海オンエアさんは、僕たちにとって大恩人である。
※本稿は、『YouTube作家がこっそり教える 「ウケる企画」のつくり方』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。