家族連れ写真はイメージです Photo:PIXTA

10月15日、衆院選が公示された。世の中の流れをうまく見極めて財を成してきた富裕層たちは、今後の日本の行方をどう見ているのか。富裕層の資産運用・管理に詳しい筆者は、これから富裕層の「海外シフト」が進む可能性があると指摘する。その理由とは。(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)

超富裕層たちの
「海外シフト」が進む!?

 石破茂首相は衆議院を解散、10月27日投開票で衆議院議員総選挙が実施されることとなりました。石破氏は首相就任時の所信表明演説では、独自の主張は封印して安全運転に終始しました。衆院選の結果次第ではありますが、国民からの支持が続けば、第二次安倍政権のように首相本来の掲げる政策などに舵を切る可能性はあります。

 少し気が早い気もしますが、人より半歩先んじたことで富を成した超富裕層は、今後テーマになるであろう日米地位協定の変更や台湾有事に関する議論、そして反アベノミクス的なスタンスが日本にとって大きな地政学リスクや再度のデフレ沈下になる可能性を増大させる要因になり得ると考えています。

 上記のような変化を前提とすると、富裕層、特に世帯純金融資産が5億円以上の超富裕層にとっては今後、築き上げた資産を保全する必要性が増します。その結果、2000年代初頭に多く見られた海外での永住権獲得を踏まえた移住や拠点づくりが、再び注目される時代が到来すると、私は考えています。