「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から目の老化予防に役立つ自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

【整体プロが指南】歳を重ねて「目が小さくなる人」「ならない人」の違いとは?重たいまぶたもスッキリ「2つの習慣」

目の老化は膀胱経の詰まりも関係

年齢を重ねるにしたがい、目が小さくなった、まぶたがたるんできた、と感じる方は多いのではないでしょうか。さらに、視力の低下、視野の狭さを実感している方もおられるでしょう。

東洋医学の視点でみると、とくに「目が小さくなった」と感じる方の多くは、約12本の経絡(「気」が流れる川のようなもの)の一つ、「膀胱経(ぼうこうけい)」の流れが滞っている傾向です。眼精疲労や加齢による眼筋低下のほか、暴飲暴食によるむくみも関係しています。

自力整体では、この膀胱経の詰まりをほぐすことで、目のたるみ、視力低下、眼精疲労、眼球のむくみをとりのぞいていきます。

おすすめは次の2つの習慣です。これをおこなうと、重たいまぶたもスッキリ目がぱっちりと開いてくるはずです。

1 眼筋運動を習慣にする
2 目をぎゅーっとつむる

ワークとともに詳しく見ていきましょう。

目の若返りに役立つ2つの習慣と「眼筋運動」のワーク

1 眼筋運動を習慣にする
眼球を上下左右ななめに限界まで動かすワークです。眼筋をほぐすと、全身の筋肉もほぐれます。とくに先述した「膀胱経」の通り道である体の後ろ側がほぐれます。後頭部、頸部、背中から腰、坐骨神経、ふくらはぎ、足腰までの筋肉群が、そこを動かさなくても柔らかくなるので、血流も良くなるはずです。眼筋運動のあとに前屈しやくなるので試してみてください。

【整体プロが指南】歳を重ねて「目が小さくなる人」「ならない人」の違いとは?重たいまぶたもスッキリ「2つの習慣」

◎「眼筋運動」のワーク

【手順】目を開き眼球を左右上下に限界まで動かす。順番は真上、右上、左上、右、左、右下、左下、真下(反対側をおこなう時は、真上→左上→右上の順で)

2 目をぎゅーっとつむる
10秒ぎゅーっと目をつむることで、眼球まわりの血流がよくなり、一瞬で目元がすっきりします。さらに目の中が涙で潤され、ドライアイの方にもおすすめです。これはまぶたの裏にあるマイボーム腺という穴から脂が出るからです。目薬がわりにぜひ。

【整体プロが指南】歳を重ねて「目が小さくなる人」「ならない人」の違いとは?重たいまぶたもスッキリ「2つの習慣」

◎「目をぎゅーっとつむる」ワーク

【手順】強くまぶたを10秒ぎゅーっと閉じる

【整体プロが指南】歳を重ねて「目が小さくなる人」「ならない人」の違いとは?重たいまぶたもスッキリ「2つの習慣」

◎膀胱経

目頭から始まり、体の後面を通って、足の小指(第5指)に下りる。腎と協力して余分な水分を排泄するはたらきを担う
膀胱経の滞りで出やすい症状:脳の血管障害、後頭部の頭痛、腰痛、坐骨神経痛、足首の痛み、こむらがえり、冷えなど

※すべて画像は書籍『すぐできる自力整体』より抜粋

※時間に余裕のある時は、書籍『すぐできる自力整体』で紹介している「驚くほどほぐれる4つのコース」(QRコードからスマホで視聴できる動画つき)も体全体の老化予防に役立ちます。

『すぐできる自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています(★35分の動画も収録)。

【整体プロが指南】歳を重ねて「目が小さくなる人」「ならない人」の違いとは?重たいまぶたもスッキリ「2つの習慣」矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗