「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から、顔のたるみを解決する自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)
「顔のたるみ」は姿勢も関係している
長く続いたマスク生活が終わっても、「顔のたるみが気になって、マスクが手放せない!」「気づいたら、ほうれい線がくっきり……」という方は多いのではないでしょうか。
顔のたるみはむくみや加齢など原因は様々ですが、自力整体の視点でみると、姿勢も大きく関係しているといえます。
そこで今回は、「顔がたるみやすい人」と「顔がたるみにくい人」は何が違うのかを見ていきましょう。この違いがわかれば、顔のたるみ予防・改善に役立ちます。
「顔がたるみやすい人」の2つの特徴
1 猫背
2 ストレートネック
この2つは、体のどこかに余計な緊張が強いられている、流れの悪い体です。
猫背・ストレートネックネックになると、顔は下を向くようになり、重力でほっぺたが落ちていきます。ですから、悪い姿勢を改善することなく顔のマッサージをしても、たるみ改善の効果は一時的なものかもしれません。
猫背は背中が丸くなり胸郭が下がった状態。顔の筋肉は下にひっぱられ、たるみをはじめ、ほうれい線、マリオネットラインが出やすい傾向です。
そしてスマホの見すぎなどで本来C字状の首のカーブがまっすぐになったストレートネック。これはノドがつねに緊張を強いられ、猫背同様に顔の筋肉は下にひっぱられます。
鍼灸がベースの自力整体では、顔のたるみのほとんどは、「胃経(いけい)」の詰まりを見ていきます。「胃経」は鼻の横あたりからはじまり、体の前側を通って、足の人差し指へと続いています(後半図参照)。
猫背やストレートネックなど悪い姿勢により胃経が詰まると、アゴの下、ノド、胸、みぞおちが緊張してコリが発生。これがたるみの原因の一つです。
「顔がたるみにくい人」の2つの特徴
1 正しい姿勢
2 頭が胴体の真上にきちんと乗っている
この2つは、体のどこにも余計な緊張を強いることのない、流れの良い体。胃経の流れが正常ということです。
日頃から正しい姿勢とスマホを見るときは首の角度を意識。さらに自力整体で胃経の詰まりをほぐしていけば、フェイスラインはスッキリするはずです。
では最後に、胃経の詰まりもほぐす「ストレートネックのばし」のワークを紹介しましょう。
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗