米航空宇宙大手ボーイングの新最高経営責任者(CEO)ケリー・オルトバーグ氏は、会社の「出直し」戦略で多くの喫緊の課題に直面する。労働争議への対応のほか、説明責任を重視する企業文化の再構築、防衛部門が抱える問題の解決、いかに革新的な航空機モデルを再び生み出すか、などだ。だがここにきて真剣に対応すべき課題に浮上したのが、悪化の一途をたどる同社の財務状況だ。ボーイングが23日発表した7-9月期(第3四半期)決算は、純損益が62億ドルの赤字、フリーキャッシュフロー(純現金収支)はマイナス20億ドルだった。9月に始まった労働組合のストライキが打撃となった。同日さらに悪いニュースが飛び込んだ。同社最大の機械工組合が、今後4年間で35%の賃上げ提案を否決したのだ。