出世する人は「会議が進むように話す」
では、職場の会議で出世する人・しない人の違いとはなんでしょうか。
まずそもそもですが、僕のいるようなメガバンクでは、ある程度「発言をするだけで目立つ」ということが生じます。このような会社においては発言することそのものが評価につながるので、その点を心掛けるだけで構いません。
ただ、周りから高い評価を得て出世していく人は会議中の発言で気をつけていることがあります。それは、その会議が「分かりやすく進展するように質問する」ことです。分かりやすくというのが一つ目のポイントで、会議には多くの発言しない人たちが参加しているので、その点は自分も知りたいと思っていた!と感じさせるような質問にすることが大事です。決して自分が知りたいことを自分の言葉で聞くのではなく、周りの人も聞きたいであろう気を引くような質問をするイメージです。
「この会議必要ですか?」と聞いてはいけない
この「進展するように」は少し難易度が高いですが、具体的には、質問をする前に自分の頭の中で反芻をすることを心がけるのです。
例えば「この会議はそもそも必要ですか?」という質問はそれだけ聞くとかっこよくズバッと切り込むように聞こえるかもしれませんが、本質を全くついてません。なぜかと言うと、その質問の回答の先には何も進展がないからです。相手の回答はYesかNoの二択ですが、どちらの場合でも会議が前に進みません。こんな質問は絶対にしてはいけない質問です。
もし、同様の質問をする上では、自分がなぜこの会議が必要ないと思っているのかを明確に考えた上での質問に変えます。それを踏まえると先の発言は「この会議の目的は〇〇ということでよろしいでしょうか、その場合は、会議ではなく●●という手段がいいと思いますがいかがでしょうか?」という形で質問をした方が進展しやすいです。しっかりとこの会議のネクストステップを示すことがポイントです。
以上のように、出世する人はどのような会議であってもその本質を見極め、進展させるための質問力を有しています。もし、これからあなたが会議に参加するときは、このような発言を心がけるだけで社内での評価を高めていくことができます。同じ意見であっても、自分の伝え方1つで周囲からの見え方や評価がガラリと変わります。やっておいて損することはないでしょう。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者に取材した特別な原稿です)