ちゃんと働いているのに評価されない」「サイレント減点されている」……
あなたは職場でこういった「コスパの悪い」働き方をしていないだろうか?
あなたも、「職場で要領よく立ち回れる人」になって、「会社で自由と安寧を手に入れたい」と思ったことはないだろうか。
そんな思いに応える新刊が、『雑用は上司の隣でやりなさい』だ。最短出世中・現役エリートメガバンカーのたこす氏が「なぜか評価をされる人」が戦略的にやっている75のテクを明らかにした革新的な一冊として、各所で話題沸騰中。
地頭力よりも実力よりも大切な「超・圧倒的に役立つ」ノウハウが満載の本書。今回はそんな本書から「80点でも良いからまず出してはいけない理由」について解説する。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)

大学生Photo: Adobe Stock

「80点でもいいからまず出す」は大きな間違い

さて、あなたは「100点満点の自信作になってから提出する」と「80点または50点くらいで提出する」のどちら派でしょうか?
X/Twitterを見たり本を読んだりしていると、上司に出す成果物は100点満点になるまで溜め込まずに「80点」くらいで提出するのが良いという話を見かけます。ダイヤモンド社の『入社1年目の教科書』(岩瀬大輔著)には「50点で構わないから早く出せ」とも書かれています。学生時代は優等生で「100点満点が当たり前」の人からすると、衝撃的な話にも聞こえてきますよね。
ちなみに僕はどちらの派閥でもありません。僕はいずれの選択も不正解だと考えています。この理由を知っておくと、仕事のコスパをより高めることができます。

上司の採点基準は人によってまちまち

先に僕の考える正解を伝えておくと、「相手が求める点数に合わせる」です。
学校と会社で大きく違うことがあります。それは、採点基準が全くわからないことです。
学校のテストであれば、採点のロジックが記載されています。もしかしたら、狙って80点を取ることができるかもしれません。
しかし会社ではそうはいきません。採点官である上司によって採点のロジックは大きく変わってきます。

例えば僕が実際に経験した上司のこだわり・クセを紹介しましょう。

・やたらと資料の「てにをは」にだけ厳しい
・資料チェックは紙で刷り出して渡さないと決してチェックしてくれない
・最初に報告か連絡か相談かを言わないと怒る
・メールを打っているときに話しかけると怒る
・付箋の位置が綺麗に揃ってないと印鑑を押さない
・自分が思っていることとは反対のことを言って相手の反応を試す

などがありました。
では、このような状況で、「80点」を取るのは果たして現実的でしょうか。

おそらく、難しいでしょう。つまりあなたが「あなたなりの80点」の資料を作ったとしても、上司と自分では採点基準がまったく異なるのです。
上司はそれぞれ、独自の採点基準を持っています。あなたが「80点」だと思って作ったその資料を、同じように「80点」と評価する保証はどこにもないのです。

つまり大切なのは、十把一絡げに「80点いいからまず出す」と決めうちしてしまうのではなく、上司によってどこまで力を入れて成果物を仕上げるかを調整することです。その上司にとっての「50点」で出すべきなのか、それとも限界までクオリティを高めて「100点」にするまで出さないのか、狙って使い分ける意識をしていきましょう。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)