今年の米大統領選で勝敗の一番大きなカギを握る有権者層は、最も見落とされている層だ。カマラ・ハリス副大統領は、黒人やヒスパニック系および若年層の有権者の取り込みで苦戦していることが自身の劣勢の理由だと確信し、選挙戦の最後の数週間をこうした有権者の支持獲得に費やしている。しかし、ドナルド・トランプ前大統領がリードを保つとすれば、それは高年齢層の白人有権者がハリス氏にチャンスを与えたものの、結局はトランプ氏を支持すると決めたから、ということになるだろう。高年齢層や白人の有権者の間で終盤に起きたこうした変化は、エマーソン大学の世論調査で目立っている。ハリス氏が民主党の大統領候補に指名されてから1カ月足らずの8月15日時点では、ハリス氏は白人有権者の支持率でトランプ氏に12ポイント差をつけられ、60歳以上の有権者の支持率では並んでいた。それ以降、これら有権者はハリス氏から逃げた。10月26日の調査では、トランプ氏のリードが白人の支持率で22ポイント、高年齢層では8ポイントとなった。