101歳、現役の化粧品販売員として活躍している堀野智子(トモコ)さん。累計売上高は約1億3000万円で、「最高齢のビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定されたキャリア61年のトモコさんが、年をとるほど働くのが楽しくなる50の知恵を初公開した話題の書『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)が「堀野氏の技法は、ヒュミント(人間による情報収集活動)にも応用できる」と絶賛(日刊ゲンダイ・週末オススメ本ミシュラン)する世界一の先輩による“人生訓”は、アナタの疲れた心を元気にしてくれる!
キツい性格の同僚
昔、私に何くれとなくツンケンしてきた同僚が、ある時期からよく電話をしてくるようになりました。
こう言っては失礼ですが、キツい性格の人だったので、あまりお付き合いしてくれる人がいなかったようなのです。
電話で話した感じから、どうも認知症になっているらしく、そのため私を毛嫌いしていたことを忘れていたのかもしれません。
さすがにガクッときたこと
いつものごとく、相手が満足するまで、うんうんと話を聞くようにしていました。
あるとき、その人が入院していると聞いたので、お見舞いに行ったところ、娘さんから「母がいつもお電話していたようですみませんでした」と言われました。
するとその人が「私、電話したことなんか一度もないから!」と言うのです。このときばかりは、「あんなに電話してきて同じ話をしていたのに……」とガクッときました。
天性の付き合い上手?
そんなふうに来るもの拒まずで受け入れるので、よく他の人から「そんなに誰にでも愛想をよくしているのに、付け込まれないのが不思議だね」とも言われます。
ある人から「堀野さんは誰でも受け入れるけれども、きちんと線引きをしているんだよね。だからとても親切だけど、相手が『この人なら付け込んでもいいかな』と思ってしまうようにはならない。天性の付き合い上手だね」と言われ、「なるほど、そうなんだ」と思いました。
近すぎるとお互い傷ついてしまう
自分自身が人にもたれかかろうと思わないので、相手にももたれかかられることがないのかもしれません。
長く仕事を続けてこられた理由の1つには、「人との距離が、近すぎず遠すぎずだったから」があるのかなとも思います。
人と人との距離は、よく「ハリネズミ」にたとえられますよね。近すぎるとお互いを傷つけあう、という意味です。
お互いにとってよくないこと
その通りだなぁと思います。親しいからといって、あまりに相手のプライバシーに踏み込みすぎるのは、結局のところお互いにとってよくありません。
かといって、せっかく人と人が関わり合うのだから、水くさいままなのもつまらないものです。
過剰に相手のことを知ろうとせず、今、自分が相手に差し出せるものを惜しみなく差し出す……そんなふうにしていたら、おのずと人間関係はうまくいくのではないでしょうか。
※本稿は、『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。