賢い人の考え方
対して、賢い人はプライドよりも仕事の効率や会社の利益を優先して考えることができます。
これは当たり前のことのように思えますが、意外と実践するのがむずかしく油断するとエゴが出てしまうのが人間です。かくいう私もかつてはエゴやプライドの塊でした。
駆け出しの漫才作家だった頃、私は自分には才能があると思っていました。もちろん、それを言葉にしたことはないですが、「自分はおもしろいものを考えるのが向いている人間である」と考えていたのです。
ですが、その姿勢で仕事をしているうちにあることに気がつきました。漫才を書くときに「お客さんが笑うこと」ではなく、「自分のお笑い」に固執する自分がいたのです。
お笑いの目的はいつでもお客さんを笑顔にすることです。自分の価値観を押し付けるものではありません。ですが、かつての私は、「自分はおもしろいのだから、ついてこれない人はセンスがない」と勘違いをしていたのです。気づかぬあいだに私のなかには大きなプライドの塊ができていました。
それ以降、私は考え方をあらため「お客さんは何で笑うのか」に再度向き合うようになりました。今でもその考えが変わることはありません。
仕事でも経験が積まれるほど、「自分のやり方が正しい」と思ってしまいがちです。それは努力したからこその勘違いではあるものの、使い方としては間違っています。
経験が積まれたときこそ、素直に行動できるのが賢い人なのだと私はかつての自分から学びました。