イーロン・マスク氏の経営手法を見れば、同氏がトランプ新政権で政府支出をどのように削減するかについて手掛かりが得られる。ドナルド・トランプ次期大統領は、世界一の富豪であるマスク氏を政府効率化に向けた新組織の「コスト削減長官」に任命する考えを示しているが、それ以外はマスク氏が新政権でどのような役割を担うかはまだほとんど分かっていない。これまでマスク氏は、自身の会社の効率化に関しては電撃的なアプローチを用いることが多かった。成功する確率は10%に満たないと自身が語るスタートアップだった宇宙開発企業のスペースXと電気自動車(EV)メーカーのテスラを業界トップ企業に変える過程でもそうだった。2022年後半にツイッター(現在はX社)を買収した際、マスク氏は経営難に陥っていたこのソーシャルメディア企業の支出を短期間で削減した。従業員の扱い方に対する批判を浴びる中でも、ツイッターの事業を継続しながら最終的に従業員の約80%を削減した。