Photo by Shuhei Inomata
大手商社パーソンが偽造IDで在日米軍基地に侵入した疑いで逮捕されるという、前代未聞の不祥事が発生した。神奈川県警は19日、東京都港区の住友商事社員の男(45)を日米地位協定に伴う刑事特別法違反容疑で逮捕。インターネット上で「スパイ行為」の臆測も飛び交う中、北米ビジネスや防衛省との契約案件も抱える住友商事にとってはビジネス上の打撃となる可能性がある。連載『クローズアップ商社』の本稿で、真相を探った。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
刑事特別法違反の疑いで住商社員を逮捕
ネットで広まる「スパイ」の臆測
「神奈川県警が大手総合商社社員を捜査」
19日未明、衝撃的なニュースが報じられた。
各報道や関係者の話をまとめると、容疑は2025年秋ごろ、在日米軍横須賀基地の敷地内に偽の入構IDを使用して侵入した上、基地内でレンタカーに乗って敷地の内外を移動したというもの。その後、社員が都内で駐車違反をした際、警察官が偽造IDを見つけた。警視庁から情報提供を受けた神奈川県警が捜査し、容疑が発覚。19日に帰国したタイミングで逮捕に至った。
初報で社名は判明していなかったが、この社員がイラク駐在員であることから、総合商社業界内では「住友商事の社員ではないか」とささやかれていた。
5大商社でイラク事業に注力する会社は限られている。総合商社のある社員は「うちはイラク駐在員が少ない。となると、消去法で住商さんかな、と思った」という。
わざわざ偽造IDを用いてまで米軍基地に侵入していた。酒に酔っていただけとは考えにくい。住友商事の社員の目的とは何だったのだろうか。
単なる個人の逸脱では済まされない、住友商事が今後直面する「負の影響」と、外事課の調べで見えてきた容疑者の素顔に次ページで迫る。







