PHOTO: ADRIA MALCOLM FOR WSJ
次世代の原子力発電「小型モジュール炉(SMR)」は長らく、多くの可能性を秘めながらも十分な商業的関心が集まらないムーンショット(野心的プロジェクト)のような位置づけだった。しかし最近、局面が変わった。人工知能(AI)の台頭で電力確保の必要に迫られる巨大テックが、SMRプロジェクトへの支援を相次ぎ表明したのだ。
グーグル親会社のアルファベットは先月、SMR開発を手がける米ケイロス・パワーと電力購入契約を結んだと発表した。最大500メガワットを調達する見込みだという。アマゾン・ドット・コムも先月、ワシントン州の電力会社と進める出力320メガワットの発電事業で、米SMR開発企業のXエナジーと協力すると発表した。だがSMRプロジェクトは一朝一夕にできるものではなく、グーグル、アマゾンともに、最初のプロジェクトが稼働するのは早くて2030年代だと予想する。オラクルも動向が注目される企業の一つだ。ラリー・エリソン会長は9月の決算説明会でSMRを3基備えた1ギガワット超のデータセンターを計画中だと述べた。