米国のドライバーに2万5000ドル(約390万円)の電気自動車(EV)を提供するという夢がピンチに陥っている。米実業家イーロン・マスク氏はこれを断念した。ドナルド・トランプ次期米大統領が支援する見込みはなさそうだ。さらに、米自動車業界が置かれた経済状況もその夢を後押しするものではない。カギとなる問題は何か。米国では安価な新車をもはや販売していないことだ。最近の新車平均価格の半分程度の価格帯で、高価な技術を詰め込んだEVを提供できる自動車メーカーがどこにあるだろうか。「2万5000ドルの通常モデルを用意するのは無意味だ」。マスク氏は数週間前にこう述べた。「そんなことはばかげている」確かにそうだ。マスク氏によると、同氏が率いるEV大手テスラは2026年に登場予定の2万5000ドルのロボタクシーの開発には依然として取り組んでいるという。だが、同氏の思い描く自動運転車がその時までに実現するとは考えていない人々、あるいはハンドルやペダルを残した2万5000ドルの新型EVなら買いたい人々にとっては何の希望にもならない。
「安価な米国製EV」の夢、はかなく散るのか
「最悪な市場だ」とルーシッドCEOは言い、テスラは自動運転車に軸足を移す
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