ドナルド・トランプ次期米大統領は、ロシアの対ウクライナ戦争において歴史的なチャンスを手にしている。1938年に英首相だったネビル・チェンバレンが別の帝国主義の独裁者に融和政策を取った過ちをトランプ氏が繰り返すなら、同氏は米国を弱体化し、貧しくし、米国の敵をつけ上がらせるだろう。しかしトランプ氏が、そうする代わりにウィンストン・チャーチルのような強さと勇気を持って行動すれば、世界中にいる米国の敵を脅して服従させ、公正で永続的な平和を導くことができる。ロシアの残忍なウクライナ侵攻からもうすぐ3年の節目を迎える今、和平合意を求める声がますます頻繁に上がるようになっている。ウクライナは危うい立場にあり、西側諸国の決意は揺らいでいるように見える。和平が望ましいのは間違いないが、戦争行為終結の合意結果が常に平和に帰するとは限らない。合意は公正で永続的なものになることもあれば、さらなる流血の事態へ道を開く場合もある。