米国社会を分断する要因が、人種から階級に変わりつつある。この変化がドナルド・トランプ氏の大統領再選を後押しした。人種やジェンダーではなく、どの経済的階級に属するかで自己認識する米国民が増えれば、今後も政治環境の変化が続く可能性がある。「人種は問題ではない」。黒人で建設業の労働組合員であるイリノイ州シカゴ在住のアーロン・ウォーターズさんはこう話す。過去の選挙ではジョー・バイデン氏とバラク・オバマ氏に投票したが、今回はトランプ氏に投票した。「重要なのは、米国民全体で一人一人のために何ができるかだ」トランプ氏は今回の選挙で、ほぼ全ての人口層で支持を伸ばした。中でも伸びが大きかったのが4年制大学の学位を持たない層で、全ての人種でこの傾向が見られた。この層におけるトランプ氏のリードは2020年には4ポイントだったが、今回は13ポイントだった。この層は有権者の半数以上を占める。大卒者もトランプ氏支持に傾いたが、リードははるかに小幅だった。
米アイデンティティー政治の動因、人種から階級に
人種ではなく階級が投票先を左右する要因になりつつある
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