中国の商船がバルト海での破壊工作疑惑を巡る捜査対象となっており、1週間にわたり国際水域で欧州の艦船に包囲されている。捜査当局は、全長225メートル、幅32メートルのばら積み貨物船「伊鵬3号」が先週、バルト海の海底で約160キロメートル余りにわたって錨(いかり)を引きずり、2本の主要な海底通信ケーブルを意図的に切断した疑いがあるとみている。この貨物船はロシア産肥料を積載していた。伊鵬3号は11月15日にロシアのバルト海沿岸のウスチルガ港を出港した。捜査は現在、船長がロシアの情報機関によって破壊工作を実行するよう仕向けられたかどうかが焦点となっている。欧州の上級捜査官は「船のいかりが落ち、引きずりながら速度が落ちた状態で数時間にわたり航行し、途中でケーブルを切断したことに船長が気付かなかったとは非常に考えにくい」と話した。