米バイデン政権が任期終盤に中東和平合意の仲介を目指す中、意外な協力相手としてある人物が浮上している。ドナルド・トランプ氏だ。米ホワイトハウスが仲介し、26日に発表されたレバノンの親イラン組織ヒズボラとイスラエルの停戦合意について、トランプ氏と側近らは批判せず、この外交上の進展に関してほぼ沈黙を保っている。一方でバイデン政権高官らは、より困難な課題となるパレスチナ自治区ガザでの停戦に焦点を移している。トランプ氏の沈黙は、ジョー・バイデン大統領の取り組みに対する賛同を示すまれな例であり、双方に利益をもたらすかもしれない。退任を控えるバイデン氏はレガシー(政治的遺産)となる外交政策の成果を得ることができ、トランプ氏にとっては対処すべき世界的な危機が一つ減ることになる。