シリアのアサド政権とその後ろ盾であるイランやロシア、およびレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは、4年以上の歳月をかけてシリア第2の都市アレッポから反体制派を駆逐した。2016年のことだ。当時、彼らはこの勝利をシリア内戦の転換点だとして祝福した。ところが、不意を突く反体制派の攻勢によってわずか数日でアレッポは奪還された。政権軍が一度も明け渡したことのない市内の一部も含まれる。反体制派の目覚ましい戦いぶりは、シリア国外で相次ぎ勃発した新たな戦争がもたらした直接の結果だ。「地殻変動だ」。米シンクタンク、ワシントン近東政策研究所のシニアフェロー、アンドリュー・タブラー氏はこう表現する。同氏はトランプ前政権下でシリア担当の責任者を務めた。「10年余り前、地域の勢力や国際的勢力がシリアに介入した。今はウクライナやパレスチナ自治区ガザ、レバノンで紛争が起きており、全てがアレッポで重なり合う」
シリア政権に打撃、露・イラン・ヒズボラ頼れず
反体制派が数日でアレッポを制圧、衰えた同盟国に頼るアサド政権の現状が浮き彫りに
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