どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の特徴」についてお伝えする。

職場で「うまくサボる人」は全力の人より出世する。その本当の理由Photo: Adobe Stock

「うまく手を抜く人」は出世する

みなさんは職場でつい「サボりたいな」「今日はなんだかやる気が出ないな」という日はありませんか。毎日一生懸命に働いていると、そういう日もあって仕方がないと思います。

職場においては実は、「うまくサボっている」人というのがいます。一方で、「仕事時間なんだから、絶対にいつも全力で働こう」という人も同様にいます。

さてここで質問です。みなさんは、職場で出世する確率が高いのは、次のうちどちらだと思いますか?

A:うまく手を抜く人
B:いつも全力で働いている人

少し考えてみてください。ちなみに僕は、出世の確率が高いのは「A:うまく手を抜く人」だと考えています。今回はその理由を説明していきましょう。

「いつも全力」は難しい

まずはみなさんが「全力で仕事をしている状態」を100としてみましょう。サボっている状態は0だとします。

ここで考えてみてほしいのは、「100の状態」を、果たしてどれくらいの時間持続できるかということです。人にもよるとは思いますが、「1時間だけ」「3時間全力」などが精一杯という人が多いでしょう。

全力状態をずっと維持し続けるのは難しいです。維持しようとしていても、結局力が抜けてしまい「80」とか、時には40~50まで下がってしまうこともあると思います。

職場で「うまく手を抜く人」は、これをよく理解しています。せっかく仕事を頑張っていても、周りの人に見られている時に限って「40」の状態だったとしたら非常にもったいないですよね。なので、そういった40~50くらいのときには職場から離れて、ひと目につかないところでうまく自分の状態をコントロールしています。

そして、「ここぞ」という時に力を入れ、「100」の姿を見せることによって、周囲から「あの人は仕事ができる人だ」というイメージがついていくのです。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を調整・加筆した書き下ろし原稿です)