ウォール街は、割高感が危険なほど強まる中で米国株式市場がさらに大幅上昇するかどうか見極めようとしている。
S&P500種指数は年初来28%上昇している。1998年に終わった4年連続の上昇以来初めて、2年連続で20%超の上げ幅を記録する勢いだ。
一部の米大手銀行のストラテジストらは2025年の株式リターンがより控えめになると予想している。JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスは、S&P500が来年末までに6500に達すると予想している。これは6日の終値(約6090)から6.7%の上昇となる。
一方、より強気な見方もある。バークレイズは最近、S&P500の目標水準を6600に引き上げた。バンク・オブ・アメリカとドイツ銀行は、それぞれ同指数が6666、7000を付けるとの見通しを示している。
アナリストらは、ドナルド・トランプ次期政権が打ち出す成長志向の政策が株式にとってプラスになるとの見方でおおむね一致しているが、株価の大幅上昇については疑問視する人もいる。高金利、地政学的混乱、貿易戦争が起こる可能性といった要因が上昇を抑えかねないと警告する声もある。しかし、多くの投資家は、これまで予想を覆し続けてきた相場の上昇に終止符を打つことをためらっている。
投資家は数日後、物価上昇圧力が引き続き緩和しているかどうかを確認するため、新たなインフレ指標(米CPI)を見極めることになる。これは、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)開催前に経済状況に関する最後の手掛かりを得る機会の一つとなる。同会合では追加利下げが見込まれている。6日の米雇用統計は、労働市場が引き続き堅調であることを示唆した。