グーグルを船に例えるなら、氷山に衝突する数時間前の「タイタニック号」のようだ。威風堂々として、決して沈むことはないと思われていたが、後にその名を大惨事の代名詞にしかねない自然の力に遭遇しようとしている。
グーグルに不利に働く動きは非常に多く、また相互に関連しているため、司法省が11月20日に詳細を明らかにした事実上の解体の試みは、同社が抱える問題の中で最も小さいものかもしれない。
グーグルの中核事業は包囲されている。人々はますます人工知能(AI)に回答を求めるようになってきている。若い世代は情報収集に他のプラットフォームを使用している。そして、ウェブがAI生成コンテンツであふれかえるにつれ、検索エンジンが提供する結果の質は低下している。こうした力が合わさって、グーグル検索のトラフィックと、そこから生み出される巨額の利益を長期的に減少させる可能性がある。その利益は、親会社アルファベット傘下の自動運転部門ウェイモといった赤字事業を支えている。
グーグルが直面する一つ目の脅威は明確で、すでに存在している。人々がインターネットで情報を検索したり買い物をしたりする際、グーグルの競合他社にシフトしており、広告費も同様に移っている。調査会社イーマーケターは米検索広告市場に占めるグーグルのシェアについて、2025年には 調査開始以来で初めて50%を割る と予測している。
グーグル自身も政府の独占禁止法調査に対してこの点を指摘しており、「裁判で提出された証拠は、われわれが幅広い競合他社との激しい競争に直面していることを示している」と訴えている。