シリアのバッシャール・アサド大統領失脚を受け、ここ数十年間に同国治安機関に連れ去られ姿を消した国民の家族に希望の光がもたらされている。アサド氏が8日未明に国外脱出する数時間前、首都ダマスカスから約20マイル(32キロ)北に位置する悪名高いサイドナヤ刑務所に多くの人が押し寄せ、数百人が解放された。同刑務所内の様子を捉えた映像には、武装した男性らが錠を撃ち抜き、拘束されていた受刑者らが目をうつろにして足を引きずりながら出てくる様子が映っている。サイドナヤ刑務所拘禁者・行方不明者協会が提供した動画内では、ある男性が「10年間刑務所にいた!」と叫ぶ様子もみられる。受刑者の親族の一部は、さらに多くの人々が隠された地下房に閉じ込められていると確信している。市民救援組織「シリア民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)」は隠し部屋を探すため専門家や鉄扉開錠班、訓練された使役犬などを現地に派遣した。同組織はまた、刑務所の構造に詳しい案内人の助けを借りている、反政府軍の司令部は、刑務所で働いていた兵士らに対し、地下房のドアを開けるパスコードの提供を呼びかけている。