今年1月から新NISAがスタートし、株式投資などで資産を増やそうとする機運が日本全体で高まっている。身のまわりで、投資に関する話を耳にする機会も増えただろう。ただし、投資には景気の動向など「不確定要素」がつきもので、運に左右される面があることは否定できない。いったいどうすれば、不運な目に遭わずに、投資で成功できるのだろうか?
そこで今回は、「読むと人生が変わる」「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書!」と絶賛されている、全米ベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の著者ニック・マジューリさんの来日に合わせ、インタビューを行った。(取材/国際ジャーナリスト 大野和基、構成/ダイヤモンド社コンテンツビジネス部)
YouTube運営の知見がヒントになった
――『JUST KEEP BUYING』が初の著作とのことですが、このタイトルにはどんな思いが込められていますか?
ニック・マジューリ(以下、ニック) ケイシー・ナイスタットというYouTuberがある動画の中で、友人から教えてもらったアドバイスとして、チャンネル運営で成功するための法則をたった3語でこう表現していたのです。
「ジャスト・キープ・アップローディング」(とにかく投稿し続けなさい)
これは、ひたすらコンテンツを作って、動画を投稿し続けることで、フォロワーを増やせるということです。私はこのアドバイスを聞いて、非常に示唆に富んでいると思いました。
というのも、当時私は米国の株式市場についてリサーチしていたのですが、 その過程で「とにかく資産を買い続けること」が富を築くために最も重要だと気づいていたからです。つまり、株や債券をいつ買うかではなく、カギは買い続けることにあったのです。
このメソッドには「ドルコスト平均法」という名前がありましたが、少し堅苦しい言葉なので、その動画のアドバイスと組み合わせて「ジャスト・キープ・バイイング」と言い換えてはどうかと思いつきました。明らかに後者の方が、頭にスッと入ってきますからね。
このようにして、私のリサーチをもとにした投資哲学をシンプルかつ強力に伝える「ジャスト・キープ・バイイング」という言葉が生まれたのです。それをそのまま書名にも使ったところ、多くの読者に支持されたので、我ながらナイスアイデアだったと思います。
「ジャスト・キープ・バイイング」で自動的にお金が増える
収益を生み出す資産とは、将来的に不労所得を生み出せる、株式、債券、不動産などの資産のこと。ただし、細かな戦略はそれほど重要ではない。なにより大事なのは、「どんな金融資産を、いつ、いくらくらい買うべきか」ではなく、ただひたすら買い続けることだからだ。
このアイデアはとても単純に見える。
実際、極めて単純だ。家賃や住宅ローンを払うのと同じように投資を習慣にし、食料品を買うように頻繁に金融資産を買う――ただそれだけなのだ。
ジャスト・キープ・バイイングは、簡単に富を築くことのできる積極的な投資アプローチだ。雪玉が坂を転がるようなものだと考えてほしい。あなたは、ただ買い続け、雪玉が大きくなっていくのを見ていればいい。(P.14~16)
(本稿は、『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の著者ニック・マジューリ氏へのインタビューをもとに構成しました)