この「ラストベルト(さびついた工業地帯)」の中心都市は、かつて中国の経済発展を後押ししたが、今や中国の未来の姿を映し出している。経済が衰退し続ける一方で、高齢者人口の急増と新生児不足に見舞われているのだ。中国東北部にある遼寧省撫順市は、昔は活力に満ちあふれた街だったが、今はゆっくりと眠りにつこうとしている。炭鉱や製油所はほとんど閉鎖され、若者の半数が出て行った。人口の約3分の1を60歳以上が占め、年金財政は大幅な赤字に陥っている。昨年、人口170万人の撫順市で生まれた新生児はわずか5541人だった。同程度の人口を擁する米ミシガン州ウェイン郡(デトロイトを含む)の出生数は2万人を超えていた。
中国の未来映す高齢化都市、経済停滞と「二重の足かせ」
撫順市の人口の3分の1が60歳以上、経済構造や人口動態のひずみを体現
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