ドナルド・トランプ次期米大統領がポルノ女優への口止め料を不正処理したとして罪に問われた裁判で、ニューヨーク州地裁は10日、有罪評決を維持し、刑罰を科さない無条件での放免を言い渡した。トランプ氏はホワイトハウス復帰を目前に、「重罪犯」の汚名を背負った。米大統領経験者が有罪として判決を受けるのは初めて。トランプ氏とトッド・ブランシェ弁護士はフロリダ州からオンラインで出廷した。裁判を担当したフアン・メルシャン判事は無条件放免の言い渡しに先立ち、大統領職に伴う特別な法的保護を理由に、今回の量刑が適切だと説明した。メルシャン判事は「一般市民としてのドナルド・トランプ氏、被告人としてのドナルド・トランプ氏であれば、これほどまでの保護を受ける権利はない」と述べた。その上で、「こうした保護は、罪の重さを軽減するものではなく、いかなる形でも犯罪を正当化するものではない」とくぎを刺した。