参加者たちは平均16キロ減量、糖尿病の改善、血圧低下など、イギリスで話題の減量プログラムがついに上陸。サンデータイムズ・ベストセラーはじめ、「今年を代表するダイエット本」「科学的根拠に基づいた真の減量ツール」とメディア、医療関係者が絶賛しているのが、『英国の専門医が教える 減量の方程式』だ。著者はオックスフォード大学医学部を首席卒業後、食欲や体重管理の研究でイギリスを代表する減量専門医のサイラ・ハミード氏。カロリーや糖質計算はせず、科学的に「満腹感」を味わえ、継続しやすいよう設計されているため、誰もが挫折しにくい配慮がなされている。今回は「ゼロカロリー」の罠について、特別に抜粋してお届けする。

【減量専門医が明かす】「ゼロカロリー」の菓子やドリンクがヤバい決定的理由Photo: Adobe Stock

人工甘味料は避ける

 本プログラムでは、人工甘味料は一切摂取しません。紅茶やコーヒーに添加されるもの、料理に使うもの、ダイエット飲料や調理済み食品に含まれるものを含め、あらゆる人工甘味料が対象になります。

 その理由は、大きく4つあります。

 1番目の理由のヒントは、その名前にあります。そう、それは「人工」の食品なのです。本プログラムでは、天然の、栄養のある「リアルフード」だけを摂ります。化学物質を使った食品は推奨しません。

カロリーがなくても太る罠

 2番目は、人工甘味料がインスリンレベルを上昇させ、身体を脂肪蓄積モードにすることです。身体は人工甘味料の甘味を感知すると、糖分が体内に入ってくると予期し、前もってインスリンを分泌します。

 ご存じのように、インスリンは脂肪を蓄えるホルモン(脂肪製造機)です。これが、いくら「ゼロカロリー」を謳っていても、人工甘味料が減量に役立たない理由なのです。

 3番目は、人工甘味料が甘いものへの欲求を満たさないことです。いくら甘い味がしても、本物の糖とは化学的な成分が異なるため、甘い物への欲求を完全に満たすことはできません。そのため身体はさらに甘いものを求め、食べ過ぎにつながりやすくなるのです。

 4番目は、自然な甘みに対する味覚が鈍ってしまうことです。食べ物から極端な甘さを取り除くことで、身体は初めて天然の食べ物に含まれる甘さを感じられるようになります。

 人工甘味料を使うと、この感覚の調整が起こらず、過度な甘さが加えられていないと、食べ物に物足りなさを感じるようになります。その結果、特別な甘さを求めることが習慣になってしまうのです。

 この不自然な甘さから解放されると、にんじんの爽やかな甘さや、ギリシャヨーグルトのしっとりした味わい、カカオ分90%以上のチョコレートの濃厚さなど、多くの食品に含まれる天然の甘さがわかるようになります。

 人工甘味料を含む食品やソフトドリンクは「ゼロカロリー」などと謳っています。しかし現実には、「タダのランチ」が存在しないのと同じように、こうしたうまい話は存在しないのです。

(本稿は、『英国の専門医が教える 減量の方程式』を一部抜粋・編集したものです)