参加者たちは平均16キロ減量、糖尿病の改善、血圧低下など、イギリスで話題の減量プログラムがついに上陸。サンデータイムズ・ベストセラーはじめ、「今年を代表するダイエット本」「科学的根拠に基づいた真の減量ツール」とメディア、医療関係者が絶賛しているのが、『英国の専門医が教える 減量の方程式』だ。著者はオックスフォード大学医学部を首席卒業後、食欲や体重管理の研究でイギリスを代表する減量専門医のサイラ・ハミード氏。カロリーや糖質計算はせず、科学的に「満腹感」を味わえ、継続しやすいよう設計されているため、誰もが挫折しにくい配慮がなされている。今回は「太る仕組み」について、特別に抜粋してお届けする。
インスリンと脂肪蓄積の関係
身体は血液中に余分な糖があることを好みません。なぜならそれは身体の自然な均衡を乱し、正常な機能を妨げるからです。そして、この余分な糖を血液から取り除き、血糖値を正常に戻すために、身体は「インスリン」と呼ばれるホルモンを分泌します。
インスリンは、血糖値を管理する「清掃員」のようなものと見なせます。
私たちがパンやライス、じゃがいも、シリアルなどの食品を食べて血液中に余分な糖が増えると、インスリンはそれをほうきで掃いて片付けようとするのです。
しかし、インスリンは魔法のように糖を消すわけではありません。身体がすぐに使う必要のない糖を、貯蔵するのです。
まず、糖は肝臓と筋肉に貯蔵されます。しかし、ここに貯蔵できる量には限りがあります。そのためそれ以上の余分な糖は、どこか別の場所に保管しなければなりません。そこでインスリンは、この余分な糖を「脂肪」に変えて蓄えようとするのです。
糖質が太る決定的理由
つまり、私たちがパンやライス、パスタ、じゃがいも、クラッカー、シリアル、ポテトチップス、ビスケットなどを食べれば食べるほど、血液中に糖が増え、それに応じてインスリンが分泌され、その糖は脂肪として蓄えられてしまうのです。その結果、当然体重は増えます。
私が減量指導する患者たちも、インスリンを「脂肪製造機」とイメージすることで、このプログラムの核となる重要な概念をしっかりと記憶できるようになります。
いつの間にか「脂肪蓄積マシン」になっている
私の経験上、体重の問題を抱えている人は、「脂質を控え、炭水化物を中心にする」という食生活指針を無批判に受け入れる傾向があります。そしてその結果、体重を増やし続けてきたのです。
糖質過多の食事をしていると、摂取した糖のほとんどが「脂肪製造機」であるインスリンによって脂肪に変えられてしまいます。このような食生活をしている人は、効率の良い「脂肪蓄積マシン」になってしまうのです。
勝手に痩せていく「脂肪燃焼マシン」になるには?
この悪循環は、本プログラムを実践することで断ち切れます。美味しく、自然で、低糖質の食べ物を摂ることで、あなたは「脂肪燃焼マシン」に変身できるのです。
この変化は、どんな仕組みで起こるのでしょうか? 卵や野菜、ヨーグルト、ナッツ類など、低糖質の食品を食べると、食後の血液中に糖がほとんど残りません。そのため、インスリンを大量に分泌して血液中の余分な糖を脂肪に変える必要がなくなります。
それだけではありません。実は身体にとって、インスリンのレベルが低いことは「脂肪を分解しなさい」という合図になります。その結果、脂肪は分解され、体重はますます減っていくのです。
(本稿は、『英国の専門医が教える 減量の方程式』を一部抜粋・編集したものです)