米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が、大きな冒険に乗り出そうとしている。長年にわたりCEOを務めてきた同氏は、自らが企業トップとしての最終章を迎えたとし、国外でデジタルに焦点を当てた巨大なリテールバンクを構築する計画に注力。同行はドイツで「チェース」ブランドの銀行立ち上げを準備しているという。欧州最大の経済大国であるドイツは8000万人以上の人口と巨額の貯蓄を抱えているが、銀行セクターの収益性は低いことで知られている。その中で事情に詳しい関係者らによれば、JPモルガンは2025年後半から26年初めにかけ、ドイツでチェースを立ち上げる予定となっている。JPモルガンは資産規模ではすでにドイツ最大級の銀行の一つで、フランクフルトを拠点に大企業向け融資、証券取引、決済処理を行っている。また英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)後はEU事業もフランクフルトに設置。ダイモン氏は昨年、JPモルガンのドイツ進出100周年を記念するイベントに出席するため、昨年は4-6月期(第2四半期)決算発表を欠席していた。