退職後の生活を送る人たちは、長生きしすぎてお金を楽しんで使えなくなることを心配している。支出が多い人は退職後の人生の満足度が高いことが複数の研究で明らかになっているが、質素な生活を送る高齢の米国人は多い。95歳や100歳まで生きる可能性があると思うと節約しがちになり、今後何年も続く出費を考えると、苦労してためたお金を今使うことをためらってしまう。研究者はこれを「退職消費パズル」と呼んでいる。50歳以上の約2万人を対象とした長期調査のデータを分析した新たな研究によると、少なくとも10万ドル(約1570万円)の金融資産を持つ65歳の既婚者は、年間平均で貯蓄の2.1%を引き出している。これは、多くのアドバイザーが推奨する引き出し率である4%を大きく下回っている。米プルデンシャル・ファイナンシャルの関連会社であるPGIM DCソリューションズの退職研究責任者で、この研究を共同執筆したデービッド・ブランチェット氏によると、4%の引き出し率であれば、1926年以降のどの30年間を取っても退職者の資金が枯渇することはなかった。最悪の時期でも30年間貯蓄が持続することが目標で、市場環境が良好ならば貯蓄はさらに長く持続する。
老後資金の枯渇、リッチな退職者も恐れる
出費は幸福感を高めるが、お金を使うことに消極的な人は多い
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