15%の空室率に悩まされているのはオフィスビルの所有者だけだと思う人もいるかもしれない。米国は深刻な住宅不足に直面している。ただし、不動産投資家が記録的水準で資金をつぎ込んできた種類の賃貸物件は、事情が異なる。米国の賃貸物件空室率は2024年10-12月期に8%に達し、新型コロナウイルス流行前を上回った。推計150万~700万戸が不足していることを踏まえると、空室数の増加は奇妙に見える。問題の一因は「群集心理」で、不動産開発業者は同じ都市に同じ種類の物件を建設している。投資が集中したのは、月額家賃が平均2139ドル(約33万7000円)の四つ星か五つ星の物件だ。これには財務的にもっともな理由があった。建設費と土地代が上昇し、開発業者は納得のいくリターンを得るために高額の賃料を必要としたためだ。だがその結果、多くの賃借人の予算を超える高級物件の供給過剰を招いた。調査会社コスターのデータによると、米国の四つ星・五つ星物件の空室率は11.4%と、より手頃な物件の2倍に達した。
米で賃貸物件が供給過剰、ただし高級物件のみ
高級物件は在庫がだぶつく一方、手頃な住宅は品薄
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