頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが19万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。

仕事ができない人は「そうですね」と言う。仕事ができる人はどうする?Photo: Adobe Stock

「わかったふり」をしない

コンサル時代、上司から「罠を仕掛けられた」ことがたくさんありました。

たとえば、クライアントとの会議後に上司からこう聞かれます。

「○○部長(クライアントの部長)が置かれた立場を考えると、ソリューション事業を中長期で延ばした方がいいよね? どう思う?」

私は「そうですね」と何となくあいづちのように回答しました。

しかし、そのあいまいな返答を聞いた上司は

「○○部長の置かれた立場って、具体的にはどう理解しているの?」
「ソリューション事業を中長期で延ばした方がいい理由は?」

と私に聞き直してきたのです。

私は返す言葉もなく、口をモゴモゴとさせてしまいました。

その結果、強烈なお説教を食らう羽目になったのです。

このとき、上司から伝えられた大切なことは、私の胸に刻まれました。

「理解していないのに『そうですね』と安易に回答することは、自分自身で、疑問に蓋をしてしまう行為である」

「わからなければ、わからないと認め、伝えるスタンスをとる。そうすることではじめて、自分の疑問点を解消するアクションにつながる」

「わからないこと、疑問点が出てきたことはチャンスである。疑問を解消することでクライアントとのコミュニケーションがスムーズになり、相手からの信頼も高まる」

クライアントとの会議中に出てきたワードや事業構造、各部門の管理職の立場など、知識も経験もない私にとってわからないことはたくさんありました。

しかし、私はすべてをあいまいにしながら、自分の中に疑問を持たず、わかったふりをして日々のコミュニケーションをとっていたのです。

仕事においてわからないことを放置し続けることは、完全なる悪です。

仕事を進めて時間が経つにつれ、知らない情報が山のように入ってきます。

そのたびに、一つ一つの言葉や事象を理解し続けなければ、社内外問わずコミュニケーションがおぼつかなくなってしまうのです。

結果、「あいつは何もわかってない」と判断され、「言われたことだけをやる作業人」として扱われるようになります。

とはいえ、とてつもない情報量が入ってくる日々の中で、「いちいち知らない言葉を確認して、理解しながら進める」ことは仕事のスピードを損ね、チーム全体に悪い影響を与えかねません。

チームで動く仕事で自分のためだけの時間を取ることで「迷惑をかけるのでは?」という恐れがでてくるのも事実です。

もしかしたら「お前全然理解していないじゃないか」と周りからの評価が下がるかもしれません。

もちろん、その気持ちや不安もよくわかります。

そんなときは、一度クライアントや上司、会社の視点から考えてみてください。

上司が私に罠をしかけて、あえて厳しい指摘をしてきたように、「わかっているふり」は、相手から見透かされます。

もし、自分はうまくごまかしているつもりでも、「この人、本当にわかっているのかな?」と相手が少しでも疑問を抱いた時点で、チーム全体のコミュニケーションに支障が生じます。結局は、迷惑をかけることになるのです。

自分自身がチームのボトルネック(推進上の障害)にならないよう、「恥ずかしい」「迷惑かもしれない」という感情から距離を置いて、「わからないので教えてください」と素直にお願いすることが大切です。

上司の指摘によって危機感を覚えた当時の私は、「自分の疑問点を事前にまとめ、理解のズレを確認する会議」を上司にお願いして毎週行いました。

これは「徹底的に自分の疑問点を解消する」うえで、極めて有効な手段でした。

仕事の疑問点がある方にはぜひ、試していただきたいと思います。

(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の一部を抜粋・編集したものです)