中国の住宅危機は、始まってから3年余りたった今も終息の兆しが見えない。不動産セクターでは国内民間資本の開発業者の苦戦が続く中、政府の存在感が増している。中国の経済発展の象徴だった業界にとって、この逆行は驚くべきものだ。直近では、民間開発大手の万科企業も流動性危機に見舞われた。政府の介入でひとまずデフォルト(債務不履行)の危機を免れた。同社は先週、2024年の損益が450億人民元(約9690億円)の赤字になるとの見通しを明らかにした。会長が辞任し、筆頭株主である深圳市地鉄集団の会長が引き継いだ。深圳市地鉄は経済規模が大きい同市の地下鉄を運営する政府系企業で、同社が送り込んだ役員は万科の経営幹部の半数近くを占める。万科のプロジェクト数件を買い取る意向も示している。
中国不動産セクター、政府系に回帰
住宅危機で民間開発業者が苦境、政府系企業のシェアが拡大
有料会員限定
あなたにおすすめ