頭の悪い人は「他人にストイックさでマウントをとる」。じゃあ、頭のいい人は?
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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ゆるストイックの中身
「ゆるストイック」という生き方では、まず自分にとっての「やるべきこと」を明確にし、そこに集中します。
しかし、自己規律を守りつつも、そのスタイルを周囲に強制することはしません。
この「ゆるさ」がポイントです。
「あなたは〇〇すべきだ!」というマウントは決してとらないのです。
成長を求めすぎて視野を狭くするのではなく、常に余裕をもって、周りの人たちや環境と調和しながら、淡々と前に進んでいきます。
そのようにして、自分の中にある「成長教(努力しない人を悪とするような考え)」から距離を置き、少し離れた視点で物事に取り組むのです。
さらに、「ゆるストイック」は水のようなやわらかさを持ち、変化する状況に合わせて動き方を調整します。
すべてを自分の力だけで成し遂げようとせず、時には周りの助けを素直に受け入れる「ゆるさ」も重要です。
孤独にがんばるのではなく、他者と協力し合いながら、一人では得られない気づきを積み重ねていく姿勢を大切にするのです。
「急ぐ人」は燃え尽きる
また、「ゆるストイック」は、短期的な成果を求めません。
長期的にじわじわと成果が見えてくることを目指します。
コツコツと継続することで、無理せず、自然体で成果が積み上がっていくことに喜びを見出すのです。
ゴールを急ぐのではなく、続けることそのものを楽しむ。
このスタイルこそ、長いスパンで安定した成長と充実を実現する「ゆるストイック」の魅力です。
二極化した超格差社会とは、言い換えれば、世界規模での究極の競争社会です。
世界中のトップレベルの人たちや、AIなどの最新テクノロジーとも勝負しなくてはいけない時代です。
このような状況で「がんばればすぐに成果が出るはずだ」と意気込んでしまうと、思うように結果が出なかったときに燃え尽きてしまう可能性があります。
そんな時代に必要なのは、淡々とやるべきことを続け、そのプロセス自体を楽しむ姿勢です。
このスタイルを実践することで、私たちは柔軟でありながら芯のある生き方を築き、厳しい二極化社会でも自分を見失わずに淡々とやり続けることが可能になります。
たまに大きな成果が出たら「ラッキー」くらいに考え、成果が出ても浮かれず、やることは変えずにコツコツと続けていくのです。
そのための思考として、「ゆるストイック」のスタイルを大掴みしましょう。それが頭のいい人の生き方なのです。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。