「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

「この人、頭悪いな…」職場にいる“使えない人”がやっている決定的な1つのことPhoto: Adobe Stock

間違えていい数字と「間違えてはいけない」数字

 会社の資料のデータの数字が、次のようにほんの少し間違っていたとき、誰か気づく人はいると思いますか?

A. 本日の売上高:178,456円
B. 本日の売上高:179,456円

 わずか1,000円異なるだけですが、これを会議で報告したときに気づける人はいそうでしょうか?
 ズレはほんのわずかです。おそらく気づける人はいないでしょう。どちらも18万円くらいです。
 ただし、次だとどうでしょうか。

A. 本日の売上高:178,456円
B. 本日の売上高:  17,845円

 これには気づけそうです。ズレが大きいと印象はだいぶ異なりますね。このような「気づけるズレ」は、絶対にやってはいけません。逆に、気づけないズレは、それが許されるシチュエーションであれば、特に問題は発生しません。

「ケタ」だけは、間違えてはいけない

 許されない間違いのほうは、「ケタを間違えている」のです。

 ケタ間違いは、頭の数の間違いよりも絶対にやってはいけないミスです。ケタを間違うことによって、宇宙船は落ちますし、会社は倒産します。

 ビジネスにおいてもケタ間違いで損害を出すのは簡単です。2,000万の請求書を200万円に書き換えてみてください。会社には1,800万の損害が発生します。逆に増やして20,000万円=2億円の請求書を出してみてください。信用問題になりますね。ケタを間違えて資料を作成したら、一発アウトになります。逆に194万3,082円と194万3,081円を間違えても、会社は倒産しないでしょう。

数字は必ず「まるめて」から向き合おう

 数字はどんどん「まるめて」から向き合っていきましょう。実際、何度「ざっくりでよい!」と言っても、電卓で最後のケタまで報告することがクセになっている人はたくさんいます。しかし、一番大事なのは、ケタ(それと頭の数)です。逆に言えば、ケタと頭の数だけ見れば他は間違っていても大丈夫です!

 細かい数字のミスについて気にする人に限って、ケタのミスをやってしまっているケースが数多く見受けられます。これは本当にもったいないです。
 最後のケタまで計算するクセは直してください。それよりも重要なケタ(と頭)だけ絶対に間違えない、という気持ちで取り組みましょう。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)