
就活生からの人気も高い総合商社とデベロッパー業界。両業界とも新卒で入社しキャリアを積む人が多いものの、中途採用も活発に行われるようになってきています。総合商社、デベロッパーが今求めている人材とはどんな人なのか。転職のプロが具体的に解説します。(アサイン プリンシパル 枝野 陽)
総合商社への転職
メリット・デメリットは?
就職人気企業ランキングで毎年上位に名前を連ねる総合商社とデベロッパーですが、その実態を正しく捉えている方は少ないと感じています。総合商社に関しては「海外駐在がしやすい」「事業投資の経験を積むことができ、経営に関わることができる」、デベロッパーに関しては「街づくりができる」という理解に留まっている方が多いです。
いずれも魅力的な業界ではあるものの、マイナス面ももちろんあるため、それぞれの業界のポジティブな要素とネガティブな要素を分けて解説します。
まず総合商社に関して、ポジティブな要素は大きく2つあります。
1つはグローバルなビジネスの機会を得やすいこと。海外駐在がしやすいのはもちろんなのですが、日常的にビジネス英語を使った機会を得やすく、会社としてのサポート体制も充実しているためグローバル人材を目指すときに総合商社での経験は間違いなく有効です。
事実、転職市場においてもビジネス英語が必須要件になっている求人は多く、キャリア的な選択肢は広がると言えるでしょう。
そして2つ目は新規事業・事業投資・M&Aといった、他業界で経験を積みにくい職種の経験が積めることです。子会社に出向して経営に携わるだけではなく、財務部門でM&A戦略に携わる方もいれば、新規事業企画の部門でスタートアップとのアライアンスを検討される方もいます。そういった業務に配置される確率が、他の日系大手企業と比較すると高いことは間違いありません。そうした経験ができる環境だからこそ、PEファンド、投資銀行、戦略系コンサルティングファーム、FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)などに転職できる方が多いのです。