ビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

学歴や有名企業などのブランドは人材市場で有利に働くといわれる。確かに、ブランドの持つ価値は決して小さくないだろう。ただ、ブランドはいつでも、どこでも通用するというわけではない。ブランドはいつまで通用するのか。最適な生かし方とは。20~30代ビジネスパーソンが押さえておくべきポイントを解説する。(アサイン プリンシパル 枝野 陽)

学歴・社名…転職で「ブランド」ってどこまで有効?
○○出身だけでは意味がない!

「学歴フィルター」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。偏差値至上主義の日本において、「学歴」や「企業ブランド」の持つ意味はとても大きいです。

 ただ、エージェントとしてさまざま方とお会いする中で、「正しいブランド認識」を持っている人は決して多くないと感じています。この「正しいブランド認識」を持つ人と持っていない人では、その後のキャリア形成に大きな違いが生まれるのです。

 では、「正しいブランド認識」とは何か。
 
 まず大前提として、先述の通り、ブランドが人材市場でとても大きな意味を持っていることに疑いの余地はありません。例えば、新卒の就職活動においては、学歴による書類選考基準は明確に存在しています。

 その理由は、とてもシンプルです。仕事をしたことがない学生を評価するにあたって、選考の場のコミュニケーション能力だけではファクトが不足しており、努力量や地頭の根拠として見られる学歴に重きを置かざるを得ないからです。

 また、中途の転職活動においても「A社出身のような優秀な人材を紹介してください」と言われることはとても多く、間違いなくブランドというものは意味を持っています。

 ただし、実は出身というだけではあまり意味がなくなっていることをご存じでしょうか。