饒舌になめらかに話せる人ほど、陥るワナがある。話題の書籍『対話するプレゼン』の著者、岩下宏一は、「話し上手な方はこれに気を付けるだけで、劇的に仕事が進むようになる」と言います。本記事では、プレゼンの場を「一方的に説明する場」から「対話の場」に変えることを提案した『対話するプレゼン』より、本文の一部を抜粋・加筆・再編集してお届けします。
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プレゼン上手は「話さない」
「対話するプレゼン」では、対話のための「話し方」について様々な方法を説明しています。
しかし、対話である以上、プレゼンにおいては相手の言葉を引き出す問いかけを行い、相手の言葉を受け止め、また問いかける、そのサイクルを回すことがとても重要になってきます。
例えば、対話するプレゼンでは、開始前から質疑の時間を設けます。
そうすることで、相手のアタマの中に「今」ある、一番気になっていることから話し始めることができます。
プレゼン中にも、問いかけを行います。
「何かご質問はないでしょうか」
「いままでのところでご不明なところはないでしょうか」
「次に進んでよろしいでしょうか」
こういった質問を行うことで、常に相手の関心や疑問をキャッチし続けるのです。
この話し方を実践すれば、相手との対話は自然と始まるでしょう。
それが、対話を引き出す話し方の力です。
「『どれ、ひとつ提案を聞いてじっくり品定めしてやるか』と思っていたのだけど、気がついたら私のほうがたくさんしゃべってしまっていました。でもおかげで、なんとなく問題や打ち手が見えてきた気がします」
もしプレゼン後に相手の上席者からこんな言葉が出てきたなら、そのプレゼンは成功と言えるでしょう。
そう、プレゼンが上手な人ほど、相手に話してもらうのがうまいのです。
相手に問いかけ、受けとめ、そのサイクルをまわすことで、プレゼンはどんどん伝わるようになります。
それだけでなく、時には相手から思わぬ発想が生まれることもあるでしょう。
真のプレゼン巧者は、相手に話してもらうのです。
■1万5000人の指導実績！
元NTT人事＆劇団四季俳優による
「相手とともに作りあげる演劇的なプレゼンの手法」
「対話するプレゼン」とは、相手とともに作り上げるプレゼンです。
事前に決めたストーリーにこだわらない。一人相撲をせず、柔軟に、相手に合わせる。言い間違い、言い忘れOK。「間」が空くのは悪いことではなく、宝もの。緊張を和らげ、双方が本音で話せるプレゼン手法です。
今までプレゼンが苦手だった、口下手な人ほど説得力が増す方法、それが「対話するプレゼン」の方法です。
