ビジネス会話において、何気ない返答が大きなチャンスを逃している。話題の書籍『対話するプレゼン』の著者、岩下宏一は、「質問への受け答えには原則がある」と言います。本記事では、プレゼンの場を「一方的に説明する場」から「対話の場」に変えることを提案した『対話するプレゼン』より、本文の一部を抜粋・加筆・再編集してお届けします。

商談でよく知らないことを質問されたとき、三流は固まり、二流は断片的に答える。では一流は?Photo: Adobe Stock

知らないことを「知っている」と装ってしまったらアウト

 知らないことは「知りません」と素直に答えましょう。

 対話を重視したプレゼンを行っていると、相手からもいろんな質問が出てきます。

 これは、とても歓迎すべきことです。

 一方で、「答えられないような質問が来たらどうしよう」という不安が生じるかもしれません。

 そのような場合でも、正直に対応すれば問題ありません。

「申し訳ありません、それについては不明な点がありますので、のちほどメールで回答させていただいてよろしいでしょうか」
「不確かな回答になってしまいかねませんので、確認してから改めてお答えさせてください」

 このように答えましょう。

「知らない」ということを認めつつ、その後のフォローを必ずセットで伝えることで、自分も相手も安心できます。

 あやふやな回答は必ず見抜かれるものです。

 自分の評価を下げたくない一心でごまかしてしまうと、結果的にはかえって相手の信頼を損ねてしまいます。

 正直に答えることで損することはありません。

 対話するプレゼンにおいては、相手に対する正直な態度が大切です

 そうすることで、一方的に主張を押し付ける場から、相手の本音を引き出す対話の場に変えることができます。