話のまとめ方で、失敗している人は多い。話題の書籍『対話するプレゼン』の著者、岩下宏一は、「プレゼンは始まりも大事ですが、終わりも同じくらい重要です」と言います。本記事では、プレゼンの場を「一方的に説明する場」から「対話の場」に変えることを提案した『対話するプレゼン』より、本文の一部を抜粋・加筆・再編集してお届けします。

商談の終了時間なのに説明が終わらない。三流は時間切れとなり、二流はパッとまとめる。では一流は?Photo: Adobe Stock

時間切れで尻切れトンボ…にならないために

 対話するプレゼンにおいては、相手と対話をしながらプレゼンを進めていきます。

 そのため相手の言葉をしっかり受けとめた結果、残り時間が足りなくなるケースも出てきます。

 どうしよう、もう時間がなくなる、間に合わない…独り相撲でそんな不安を抱えつつプレゼンを進めるのも得策とは言えません。

 その場合はあせらず、時間が終了する前にあらかじめ相手に確認をとりましょう。

「資料の後半部分の説明が完全には終わらないかもしれませんが、どうしましょうか? 改めてご訪問させていただくか、あるいはオンラインで追加のご説明をさせていただくか。ご希望を教えていただけませんでしょうか?」

 最初から最後まで相手の意向を汲み取らず一方的に話を進めて時間配分に失敗すると、「いや、それはあなたが好きに時間を使った結果でしょう?」と不満を抱かれかねません。

 対話しながら相手の意向を尊重しながらともに進めていれば、こういう相談もスムーズに行うことができます。

 孤独なプレゼンをしない。それが「対話するプレゼン」です。