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「自分を好きになる」というのは難しい?
自己肯定感の話にもつながりますが、「自分を好きになる」と聞くと、どうしていいのかわからないと感じる人も多いのではないでしょうか。
それも当然のことです。そもそも、「好きだ」と思う対象は、自分以外のものだからです。たとえば、「リンゴが好き」「あの人が好き」といったように、好きの対象は基本的に自分の外にあります。
一方で、自分自身は「好き・嫌い」の対象ではなく、あくまで視点の基準となるものです。そのため、「自分を好きになる」という表現に違和感を覚えるのは自然なことなのです。
自分を好きになる必要はない?
最近では「セルフラブ」という言葉もよく聞かれますが、これに対して抵抗を感じる人もいるかもしれません。それは無理もないことで、「自分を好きになる」ということ自体が、そもそもありえないからです。
では、どうすればよいのでしょうか? 実際には、「自分を好きになれないこと」が問題なのではなく、「自分が嫌いになってしまうこと」がつらいのではないでしょうか。
自己嫌悪を手放すことが大切
「自己嫌悪を手放す」というのが大事なポイントです。「自分を好きになる」というより、「自分を嫌いにならない」ことを目指すのが現実的です。
自分を嫌いになる瞬間というのは、多くの場合、「頭がお暇になっているとき」に起こります。本来やるべきこと、考えるべきことがあるのに、ふとした瞬間に意識がそれて、考え事を始めると、ネガティブな思考が浮かびやすくなるのです。
どんな人でも、良いところと悪いところがあります。もし、自分の悪いところばかりに目を向けていたら、いくらでも「自分が嫌い」と思えてしまうでしょう。
ポジティブな面を探すより行動する
「ポジティブなところを見つけると良い」と言われますが、それだけでは十分ではありません。ポジティブな面を見つけること自体は大切ですが、それが直接「自分を好きになる」ことにはつながらないのです。
それよりも、「自分が嫌いになる瞬間を減らす」ことのほうが重要です。もし、自分の嫌な部分やネガティブなことを数えてしまっていると気づいたら、気持ちを切り替えて何か行動をしてみるとよいでしょう。
そうすれば、意識が他のことに向かい、「自分を嫌いになる状態」を解消しやすくなります。
「自分を好きになれない」は当たり前
「自分を好きになれない」と感じるのは、ある意味では当たり前のことです。
しかし、「自分を嫌いにならない程度でいい」と考えるだけで、気持ちは少し楽になるのではないでしょうか。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。