あれもだめ、これもだめ、さあどうしよう。株価が落ち込んでも資産が守られるよう投資を組み立てておけば、心の平穏も守られ、お気に入りの銘柄も手放さずに済む。だが、そのような保険を見つけるのは難しくなっている。米国債だけでなくおそらくドルでさえも、資産を保護するかつての効能を失っている。金価格がこれほど上昇しているのも不思議ではない。根底にある問題は、投資が保険になるかどうかは他人の反応次第、ということだ。二つ目の問題はとりわけ米国債にとって重要で、インフレ感応度が新時代に入った、ということだ。S&P500種指数がピークを付けた2月半ば以降の相場の弱さは、本来起こるべきこととそうでないことを示唆している。米国債は予想通りに動き、株安でリターンを出した。ドルはそうはならず、株に連れ安した。金は両方の動きを見せ、株に連れ安した後で急騰した。